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初心者のためのガスクロ講座番外編 第11回 温度調節について

私たちの生活に身近に存在するエアコンや給湯器、もちろんガスクロの恒温槽にも温度を調節する機能が付いています。今回はこの「温度を調節する機能」の秘密を紹介しましょう。

温度の調節

●温度を上げる…ヒーターを使用する
いろんな種類のヒーターが世の中にはありますが、電気を使用して温度が上がるヒーターは、基本的に「電気を通して温度を上げる」ことと「電気を切って温度をあげない」ことしかできません。
ヒーターは電気を通したままでいるとどんどん温度が上がっていき、いずれ自分の熱によって焼き切れてしまいます。ですので、ヒーター単体に電気を通すだけでは温度の調節はできません。
●どうやって温度の調節をするの?
上記のようにヒーターは、「電気を通して温度を上げる」「電気を切って温度をあげない」という動作しかできないので、その動作を代わりにやってくれる機器が必要になります。 それが「温調器」という機器です。温調器で「ヒーターの電源を入れたり切ったり」して対象を目的の温度に近づけるのです。
●温調器で温度を測りながらヒーターをON、OFFする
温調器には、ヒーターの電源をON、OFFする機能の他に、「温度を観る」機能があります。この「温度を観る」機能とヒーター電源をON、OFFする機能を併用して、対象の温度を測りながら、目的の温度より低ければヒーター電源をON、目的の温度に達したらヒーター電源をOFFにして、温度を調節しているのです。もちろん、目的の温度は自由に変えることができます。

恒温槽

ここからはガスクロ内でヒーター、温調器を使用している恒温槽について解説しましょう。
●恒温槽ってなに?
恒温槽とは、温度を一定にするための箱です。ガスクロには必ずと言っていいほど恒温槽が搭載されています。この中にカラムやバルブなどを入れて、温度を一定に保っています。
●なぜ温度を保つの?
温度を一定に保つことにより、測りたいガスの条件を常に同じにしておくためです。第2章で述べたとおり、ガス(物質)は温度によって特徴が変化します。例えば水は、100℃以下なら液体、100℃以上なら気体、というように 温度によって大きく特徴が変わります。 また、夏と冬では気温が大きく違うので、恒温槽なしで測定すると、この気温の変化でも測定結果が大きくズレてしまいます。
●なぜ温度を上げて一定にするの?
ガスクロの恒温槽は100℃〜200℃にする場合が多いです。「温度を一定にする」のなら、確かに0℃でも30℃でも問題ありません。しかし、「高い温度で一定にする」ほうが都合がよいのです。
▲「温度を下げる」にはコストがかかる
温度を下げるには「クーラー」が必要です。「クーラー」も様々なものがありますが、基本的にヒーターより構造は複雑で、価格も大きくなりがちです。
▲室温程度の温度に一定にするにもコストがかかる
室温程度に温調するにはヒーターとクーラーが必要になります。一旦クーラーで温度を下げてから改めてヒーターで温度を上げる、という手順を踏まないと、目的の温度に一定にすることは非常に困難なのです。
▲温度を上げると気化する物質が測れる
例えばエタノールは常温なら液体でガスクロでは測れませんが、100℃まで上がると気化してガスクロで測ることが可能です。

 

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