株式会社ジェイ・サイエンス・ラボ

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初心者のためのガスクロ講座番外編 第17回 石油について

今回は我々の生活に欠かせない資源のひとつ「石油」について解説していきます。
 

石油とは

石油とは様々な炭化水素が混合している、黒くてドロッとした液体です。主に地中に存在し、専用の採掘施設によって採掘されます。地中に石油の湖のようなものがあるわけではなく、砂、砂利、泥に混じった状態で存在します。精製する前の石油は原油と呼ばれ、炭化水素の他に少量の酸素、窒素、硫黄、水分など、いろんな物質が混ざっています。
 

石油の精製

石油は原油の状態から「分留」という方法でいろんな種類の炭化水素に分けられていきます。
 

分留とは

分留とは、液体の混合物を熱して蒸発させ、再度凝縮させる方法です。物質はそれぞれ個々の沸点(凝縮温度)を持つので、この方法だとほぼ完全に混合液を単一物質に分離できます。
例えば、沸点が50℃の物質Aと100℃の物質Bの2種類の物質が混ざっている混合液があるとします。
まずはこれを熱して蒸発させます。
蒸発させた気体は逃げないように容器の中に閉じ込めておきます。
蒸発させたあと、その蒸気をゆっくり冷ましていきます。
だんだん冷めてきて100℃まで下がると容器の内側に液体が結露し始めます。
これが物質Bです。物質Aはまだ気体の状態のままですので、この結露した液体をうまく採取すれば純粋な物質Bが採取できる、というわけです。

精製される物質

石油は分留によってさまざまな物質に分類されていきます。
 

●天然ガス(沸点が30℃まで)
沸点が低いので主にガスとして分離します。
・メタン
・エタン
・プロパン
・ブタン など
圧力をかけて液体にしたものは液化石油ガス(LPG)と呼ばれ、タンカーなどで運ばれます。  

●ナフサ(沸点が30℃から200℃まで
炭素数が5~12の炭化水素が主成分です。主に石油化学工業で使用され、ここからさらにガソリンなどを精製していきます。石油化学の聡明期はこのナフサは捨てられていました。明かりとして使用するには燃えやすすぎて危険だったためです。  

●灯油(沸点が170℃から250℃まで
炭素数が9~15の炭化水素が主成分です。主に家庭用の暖房用燃料として使用されています。電灯が普及するまでは明かり用としてよく使用されていたので「灯油」という名称があります。  

●軽油(沸点が200℃から350℃まで)
炭素数が10~20の炭化水素が主成分です。 主にディーゼル機関(バス、トラックなど)の燃料として使用されています。「軽油」とは「重油」と比較して軽いのでつけられた名前なので、特別軽いわけでも、軽自動車専用の燃料というわけでもありません。  

●重油
分留した後に残る残油です。ナフサや灯油より重く、粘質なのでこの名前が付きました。船の燃料やアスファルトの原料に使用されます。アスファルトは大昔から使用されており、日本では縄文時代に接着剤として使用されていたようです。  

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