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初心者のためのガスクロ講座番外編 第18回 水素について

今回は宇宙で一番軽く、最も豊富に存在する物質、水素について学習していきます。

 

名前の由来

英語表記のHydrogenは水の~を意味するhydroと 生み出すを意味するラテン語のL.generareが語源とされています。
ドイツ語のWasserstoffは水を生むものを意味し、日本語では水素ズバリ、水の素となっていますね。その名の通り地球上では主に水(海水)として存在し、単体の水素分子状態では大気中に1ppm以下と、ほとんど存在していません。

 

水素の性質

・とにかく軽い。宇宙一軽い。
・大変よく燃えます。
・色も匂いも味もありません。

 

水素化合物について

地球上では主に水として存在すると話しましたが、水は水素原子2個と酸素原子1個が結合した化合物です。
水以外にも多種多様な水素化合物が存在します。その代表的なものをいくつか紹介します。
 
●アンモニア NH3アンモニア
強烈な刺激臭で粘膜を痛めるためとても危険。用途として、多くが窒素肥料の原料として使われています。

 

●硫化水素 H2S硫化水素
鼻をつまみたくなる腐卵臭、温泉で漂っているのも、この匂い。引火性が高く、高濃度になると有毒で危険。

●塩化水素 HCl塩化水素
有毒ガス。水に溶けた状態が塩酸です。用途としては、調味料、薬品、染料等多種多様な工業製品の製造過程で使われています。

●フッ化水素 HFフッ化水素
半導体製造等ハイテク産業を支える重要物質。大量破壊兵器製造にも転用できるため輸出規制品となっています。

●炭化水素

炭素と水素の化合物の総称 石油や天然ガスなどの埋没資源。 最も構造が簡単なのはメタンCH4です。

※炭化水素については当講座第7回で詳しく取り上げています。

 

エネルギー源としての水素

石油・天然ガスに変わる新エネルギーとして水素が注目されています。

 

●新エネルギーとしての利点

①半永久的に使用できる。化合物として地球上至るところに存在するため、ほぼ際限なく使用可能。

②環境負荷が低減できる。水素を使用する燃料電池発電では電気と水が発生し、CO2は発生しない。

③運搬・貯蔵しやすい。水素を液化することで運搬・貯蔵が容易となり、使いたいときに使いたいだけといった利用も可能。

※燃料電池については当講座第14~16回で詳しく取り上げています。

 

●課題

原料となる化合物は無尽蔵と言っていいほど豊富に存在するものの、それらから抽出するためのコストが非常に高くなります。 また、現状では十分なインフラが整備されていないことと輸送手段や保管容器製造技術が未成熟な為、石油や天然ガス輸送と比べて高コストになっています。更に引火の危険性についても不安材料になっており、安全性のさらなる向上も求められています。

 

日本でも水素エネルギーを有効活用できる水素社会の確立を目標としています。 2040~50年までにインフラを整備し、水素の販売価格をガソリンや天然ガスと同程度まで下げたいとしています。

 

 

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