株式会社ジェイ・サイエンス・ラボ

「 For the Customer 」を合言葉に。
お客様のニーズにお応えすることで広く社会に貢献していきます。

初心者のためのガスクロ講座番外編 第20回 「どうやってガスは作られているの?」

医療用に使用される酸素ボンベなど、ガスはどのように作られているのでしょうか。
今回は「水素」「酸素」のような代表的なガスの製造方法を紹介していきます。

 

深冷分離法


主に酸素、窒素、アルゴンを生成する方法です。
簡単に言うと、空気をどんどん冷やしていって、沸点の高いガスから順に液化させて取り出していく方法です。
それぞれの沸点は以下の通り。
   酸素:-183.0℃
 アルゴン:-185.7℃
   窒素:-195.8℃
空気をどんどん冷やして-183.0℃までいくと、酸素のみが結露して液体となります。この液体が液体酸素です。
残ったガスは窒素とアルゴンとなりますので、さらに-185.7℃まで冷やし、この温度で結露する液体が液体アルゴンです。
そして最後に残るのが窒素、というわけです。
原料は空気ですので、原料費はかからず枯渇の恐れもありません。一度に大量のガスが生成できます。
製造の過程でガスを高圧に圧縮したりするので、高圧ガス保安法により製造方法や保安距離(工場と住宅・学校などの距離)が厳しく制約されています。

 

水蒸気改質

現在最も多用されている、水素を安価・大量に生成する方法です。
原料は天然ガス、石油燃料です。高温(500-1100 ℃)で金属触媒が存在すると、水蒸気とメタンが反応し一酸化炭素と水素が発生します。
 CH4 + H2O → CO + 3H2
現在は燃料電池で走る自動車などの開発が進んでおり、埋蔵量に限りがありCO2を排出する石油燃料からCO2を排出しない水素を燃料とする自動車に切り替えが進んでいますが、現状は燃料の水素を作るのにほとんどの場合石油から精製しており、化石燃料の削減には大きく繋がっていないのが現状です。
これからは大量の水素をどのように生産するかが大きな課題となっていくでしょう。

 

【前回講座へ】   【講座indexへ】