初心者のための ガスクロ 講座 第15回 サンプリングユニット について
今回はガスクロと組み合わせて使用するサンプリングユニット(前処理装置)について解説します。
サンプリングユニット とは
サンプリングユニット(前処理装置)とはガスクロに試料を導入するための装置です。分析条件に合わせて、流路を分岐したり、加温したりする装置です。また、必要に応じてダスト・水分の除去を行うことがあります
サンプリングユニット の構成について
サンプリングユニットは、面積式流量計、フィルター、ニードルバルブ、手動切換バルブ、吸引ポンプ、電子冷却器、電磁弁、電気炉等、必要に応じたもので構成されます。ここでは、それぞれの部品の役割や詳細等をご紹介します。
・面積式流量計
サンプルガスや標準ガスの流量を監視するためのものです。流量調節はニード ルバルブにて調節します。
・ニードルバルブ
流量を調整するために使用します。流量は面積式流量計の指示値を確認しながら流量を調節します。
・手動バルブ
手動で流路の切換を行うバルブです。IN側にてサンプルガスラインや標準ガスラインをそれぞれ接続し、サンプルガスと標準ガスの切換を行うために使用します。主に3方バルブが使用されますが、中には5方バルブの様なより多くの流路ラインの切換が可能なバルブを使用することもあります。
・自動バルブ(電磁弁)
自動で流路の切換を行うバルブです。タッチパネル上の設定やタイムシーケンスによる自動運転でのバルブの開閉や流路切換を行いたい場合に適用します。
・吸引ポンプ
サンプルガスを吸引するためのポンプです。圧力を持たないガスを吸引ポンプにてサンプリングユニット内にガスを送り込むために使用します。
・フィルター
サンプルガスに含まれている微小な塵(ダスト)を除去します。ガスクロ内へのダスト混入を防ぎ、ガスクロを保護します。
・電子冷却器
サンプルガス中に含まれている水分を凝縮させて取り除く機器です。電子冷却器にはファンがついており、強制的にサンプルガスを冷却して水分を凝縮させます。凝縮された水分はドレンポットに溜まります。写真のタイプでは手動でコックを開き凝縮水を排出します。他にも、液レベルセンサーを使用して水位を監視し、水位が上限に到達後自動的に排水を開始するシステムもあります。
・ドレンポット
電子冷却器で凝縮された水分を貯める部品です。排水機構を設けており、一定水準に達すると排水します。カスタマイズにて液レベルセンサーを設けて水位状況を監視し自動排水するシステムを構築することも可能です。
・電気炉
使用条件に合わせてサンプルを加熱するユニットです。