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初心者のための ガスクロ 講座 第2回 ガスクロ のしくみについて

初心者のためのガスクロ講座

クロマトチャートとは?

クロマトチャート(クロマトグラフィー)は、 ガスクロ で測定されているガスの濃度を示す線図です。見た目は心電図のようで、1本の線で山や谷が描かれています。
【ピーク(山や谷)】
クロマトチャート上の山や谷は、測定しているガスの濃度を示します。ピークは、物質の存在や濃度の変化を示す重要な部分です。
【ベースライン(平たいところ)】
ベースラインは、ピーク以外の部分で、ガスの濃度が一定である領域です。これは、測定の基準となります。
クロマトチャートは、 ガスクロ で得られるデータを視覚的に表現したものであり、ピークとベースラインのパターンを分析することで、物質特定や濃度の評価が行われます。

クロマト図

キャリヤーガスとは?

キャリヤーガスとは、 ガスクロ の流路に常に流し続けるガスのことです。 クロマトチャートのベースラインを決めるガスです。 反応性の低い単一のガス・・・He、Ar などがよく使われます。 走り幅跳びの踏み切り線を決めるためのガス、と考えればよいでしょう。

サンプルガスとは?

測定したいガスのことです。フロー図のサンプルガス入口から注入します。 ごく少量かつ、常に同じ体積のガスを注入する必要があるので、 シリンジポンプ(注射器のようなもの)などがよく使われます。 例えば工場の排ガスを測りたい場合、まず煙突付近の空気をテドラーバッグなどの袋に採取します。 次にテドラーバッグからシリンジポンプで定量を抜き取り、 ガスクロ のサンプルガス入口に注入する、という流れになります。

ガスクロ で使うカラムとは?

ガスクロ にとって非常に重要な部品、カラムについて説明します。 カラムとはとても細長い配管に、充填材(細かい砂のようなもの)が詰まっています。
キャリヤーガスやサンプルガスは、この砂の詰まった配管であるカラムを通って検出器に到達します。 サンプルガスは多くの場合、いくつかのガスが混じっているのですが、カラムを通ると物質ごとに順番になって出てきます。 カラムはバラバラに混ざっているガスを物質ごとに区分けする機能を持っているのです。
それでは図2を見ながら、カラムによってどのように物質が区分けされるか勉強しましょう。 サンプルガスは物質Aと物質Bによって構成されています。 キャリヤーガスが流れ続けている流路に、少量のサンプルガスを注入しました。 カラムに行き着くまでは、物質A、物質B、キャリヤーガスはバラバラに混在しています。 サンプルガスがカラムに到達すると・・・ カラム充填材によって、物質Aと物質Bは進路を制限されています。 物質Bは大きいのでカラム充填材に邪魔されてなかなか出口に到達できません。 物質Aは小さいので充填材にはあまり邪魔されず、すばやく出口に到達できました。
その結果、カラムを早く抜け出せた物質Aの集団、しばらく経ってカラムを抜けるのに時間が掛かってしまった物質Bの集団、という具合に、物質Aと物質Bの分離が成功しました。ちなみに、カラムは温度によって機能が左右する特徴があるので、温度を一定にさせるため、カラム恒温槽という高温の箱に収納されています。

カラム内でのサンプルガスの分離