初心者のための ガスクロ 講座 第8回 温度について
温度の単位
温度とは、暑さ、寒さなどをわかりやすく数値として表したものです。
最も一般的な単位は「℃」ですね。これは、「水が凍る温度を0、蒸発する温度を100」と定義づけて数値化した単位です。ガスクロの世界でもやはりこの「℃」の単位がよく使われます。
次に有名なのが「K」(ケルビン)です。これは、絶対零度を0とした温度単位で、「0K=-273.15℃」と定義されています。これは、0K=-273.15℃とすると、1Kと1℃の目盛りの幅が等しくなるので、とてもわかりやすくなるからです。
温度ってどういうこと?
温度についてもう少し詳しく勉強しましょう。
私たちが吸っている空気の中にも、私たち自身の体も、とても小さな原子、分子で構成されています。それらの分子、原子は常に動いているのです。気体であれば、空中を飛び回っていたり、水ならば氷の状態であっても、分子はブルブルと震えている状態なのです。温度とは、それらの分子、原子の運動状態の活発さを表す指標なのです。
例えば、暑い日は空気中の分子がとても活発に飛び回っており、寒い日は暑い日に比べて飛び回る速度が遅い、のようにとらえるとわかりやすいですね。そしてその分子の運動エネルギーを感知し、私たちの肌が「暑い」や「寒い」と感じたり、温度計が気温として数値で示したりするのです。
ちなみに、絶対零度とは上記のような分子・原子の運動が止まってしまう状態のことです。温度は分子・原子の運動状態を示す数値ですので、止まってしまえばそれ以下の数値は表すことができません。ですので、0K=-273.15℃以下の温度はない、ということになります。
温度と化学反応
温度と化学反応は非常に密接な関係にあります。例えば、紙の温度を上げると燃焼したり、水を100℃にすれば、蒸発したり(物質の状態変化)します。
ガスクロ は、第1回で述べたように大気中の空気などを採取して測る時もあれば、何かを高温で熱し、そこから発生する物質を計測する、という使い方もあります。そのような研究機関で活躍するため、温度管理・制御を行う様々な機器が世の中にはあるのです。
ガスクロ における温度管理
カラムオーブン温度:
カラム内の温度を制御することで、分離性能を最適化します。温度プログラムを用いることで、複数の成分を効率よく分離できます。
サンプル導入部温度:
サンプルを気化させるための温度管理が重要です。適切な温度でサンプルを完全に気化させることで、正確な分析が可能になります。
検出器温度:
検出器の温度も安定させる必要があります。温度変動が検出結果に影響を与えるため、一定の温度で運用することが求められます。
温度管理は ガスクロ において非常に重要です。適切な温度制御により、正確で信頼性の高い分析結果が得られます。温度の基本を理解し、実践することで、より高精度な分析が可能になります。